大きさとか広さというのはビジネスの規模などが広がっていけば必然的に必要となってきます。
ただ、その規模やスペース、働き方というものは昨今は当たり前に会社にいってデスクで仕事をするだけではなくホワイトカラーの仕事では、特にクリエイティブな分野では、打ち合わせのみに出社したり相手先に出向いて、作る際にはこもって自分の落ち着く環境で仕事をするスタイルというのが一般的になって来ています。
働き方改革といった大仰な言い方を政府などをしていますが、そうした改革と言ったわけでもなく場所を固定しなくても自分の必要なスペースで必要な仕事をしていけば食べていく事は可能です。
まあ、そのためにはアイデアや、そのアイデアを実行するたけの実行力や、遂行していく力と言ったモノが必要となりますが。
そういったアイデアなどを事業にうまく結びつけてアイデアから製品化などを実現していく仕組みとしてクラウドファンディングという仕組みがあります。
アニメなども実際にコレで映像化されているし、昨年から話題の「この世界の片隅で」のプレ版は実際にこのクラウドファンディングでお金を集めて作るという動きで作成されています。
そんなクラウドファンディングでお金を集めて順調に成長を続けているサービスで『アソビバ&東京サバイバルゲームフィールドASOBIBA』と言うサバイバルゲームのスペースを貸すサービスがあります。
はじめは東京の八重洲口にサバイバルゲームの出来る屋内フィールドをつくりそこで、人を集めて定期的にゲームを開催して行くという形でスタートしています。
コレが2013年 10月のこと
そこから現在2017年になると店舗数が4店舗に増え活況を呈しているようです。
サバイバルゲームフィールド ASOBIBA:https://asobiba-tokyo.com
東京 秋葉原フィールド
東京 お台場フィールド
神奈川 横浜桜木町フィールド
アーチェリーハント東京
このサービスのモデルとしては、時間でスペースを貸してそこで遊戯を楽しんで貰うということでしょう。
また、そのプレイヤーの育成として定期的に初心者体験会やゲームをプレイするための体験セットを低価格でレンタルしていたり、ゲームをプレイするという敷居を下げる努力もあわせて行い、サイトなどはそうしたゲームの様子などを伝えるメディアとして活用されています。
そして、オンライン予約で枠を提示してそこをレンタルしたりフリー参加可能なゲームを開催して常時、コマを埋める施策を実施しています。
なにより、このサービスを提供している側が、サバイバルゲームが好きというのも大きな要素でしょう。
すべての状況を分析すると時間がいくらあっても足りませんので、簡単に秋葉原の店舗をモデルケースとしてそのビジネスモデルを検証してみます。
場所自体は秋葉原のど真ん中といったところに店舗があります。
フロア面積 218.0 ~ 300.0坪
参考坪資料 非公開 ~ 2.0万円
と参考情報ではあがっていますので、1フロアすべてを借りてしまうと月に600万というちょっと割に合わない計算になってしまいそうですが、おそらくテナントで区切られているフロアであればある程度の広さを借りる事で収支が合うように設計できるかと思います。
HPにある見取り図を見ると平米数としては100㎡くらいなのかなと。
であれば、月に高くて60万くらいと想定
だいたい、1日を3コマで分けていますので1人の参加料金が3,000円くらいで、数人~数十人でその1コマの時間を分けてゲームを何回か開催する事で満足度を高めることも出来ると思います。
いかが価格表で、完全に貸し切りにした際の料金設定になっています。
貸切 最低貸切料金&利用時間
平日:午前の部 | 11:00~15:30 受付10:00~ 50,000円 ※何名でも追加料金なし ※レンタル半額でご利用可能 |
平日:午後の部 | 17:00~21:30 受付16:00~ 80,000円(20名まで) ※21名から1名ごとに追加4,000円 |
平日:深夜の部 | 23:00~4:30 受付22:00~ 67,500円(15名まで) ※16名から1名ごとに追加4,500円 |
土日祝日:午前の部 | 11:00~15:30 受付10:00~ 90,000円(20名まで) ※21名から1名ごとに追加4,500円 |
土日祝日:午後の部 | 17:00~21:30 受付16:00~ 90,000円(20名まで) ※21名から1名ごとに追加4,500円 |
土日祝日:深夜の部 | 23:00~4:30 受付22:00~ 100,000円(20名まで) ※21名から1名ごとに追加5,000円 |
上記の料金設定から見るにMaxの1度のゲーム参加人数は20名くらいと推計できます。
そして貸し出しのスケジュール表から30日で3コマとして月に貸し切りが5~8として36万~54万、60万
自社企画主催のイベントで定期に参加指定くれる人が月に1000名なら150万
また、道具のレンタル料金や追加の玉の販売といった事や、そのほかのグッズの販売もあるので収支としてまずまずの想定が立ちます。
さらに、秋葉原というリッチとニーズがマイナーながらプレイ人口のアクティブ率が高かったり、企画が成立しやすい、また、リピーター率が高そうと言った事から、面白いビジネスモデルである事がうかがえます。
さらにPRとして写真の撮影やゲームの浸透度を高めるためのルール説明セミナーなどもきちんと開催しており、安全で快適に運営出来るルールに則ったゲームを開催出来る環境を提供しているという点が素晴らしいサービスと言えるでしょう。
参加したユーザーは予約の際にTwitterからも問い合わせを受け付けていたり、HPにも問い合わせフォームだけでなくプッシュ型の問い合わせフォームと言ったアクティブなアプローチも行っているだけに、ソーシャルでの活況な発信も期待出来ます。
他店舗などでもサバイバル+コンパでサバコンといった男女共同で参加しやすいアクティビティとして週末などの活況も期待出来るサービスです。
広いスペースでこうしたスペースを貸すビジネスモデルを促進するには、そのスペースを貸すための回転率を上げるかコマを独占する権利を販売する、また、綿密な設計も必要になります。
物販の販促物も仕入れなどはありますが、収益には欠かせませんし、こうしたスペースを貸し出す事で、店舗を訪れた人に親和性の高い商材というモノは必然的に売れやすくなるので、こうしたスペース自体が広告の役割を果たしてくれる環境を生み出す事も可能でしょう。
このように、訪れる人を限定して、その人たちに合わせた商材をおく事で不特定多数を相手にする必要のないビジネスモデルとなるので、リピーターが参加しやすい価格設計や、イベントの定期開催などもプロモーションの効果を発揮する事が出来ます。
また、ゲームの特殊性があり、他業態がおいそれと参入しにくいという参入障壁をうまく築いている点も素晴らしい点の1つです。
つまり、このサービスは差別化とリッチ、イベント、参加者を使ったプロモーションなどをうまく管理出来る範囲で回しているため、ニーズの限られた趣味性の高いサービスでもサービスの回転率の高さなどを維持出来る仕組みとなっています。
ネガティブな点としては、市場がブームなどが出来て拡大してもその拡大に乗って手を広げすぎたら、管理していくスキームがうまく効かなくなり、商圏の食い合いなども起こる可能性もあるため、安易に拡大してしまうのも考え物と言えるかもしれません。
このビジネスからは大いに学ぶべき点もあり、趣味性や指向性、どういった人に何を届けてどういったことをすれば喜んで貰えるかといった顧客の視点を生かすためのマーケティング手法として見ることが出来ると言う事です。
まあ、元々、主催者自体がこうした趣味を持っていたので、そうした人たちのマインドをよく理解しているから実施出来たノウハウともいえるでしょうし、八重洲で運営してみて蓄積したノウハウのたまものとも言えます。
つまり「経験」が生きたビジネスモデルでありサービスであると言うこのなのかもしれません。
※本記事はあくまでも推計をしているだけで、上記に記載されている賃料などの想定や売上げの数値については、想定も基づいて換算をしていますし単月確認出来た数字からの想定となっています。
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